斎藤登美夫の「FX-Newsletter」
 

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2011年04月01日(金)

「過度の変動」

4月に入りましたが、まだ投稿できるようなので・・・。


過去にも筆者は良く論じてきたけれど、各国の通貨当局が一番懸念しているのは為替のレベルよりも変動率だ。これは要人発言において、「過度の変動を懸念する」などといった文言が多用されるところからも垣間見える。

しかし、今回の件についても思うのだが、「過度の変動」とか「相場の急変にはうんぬん」ってコメントは必ず円高方向に動いたことに際して用いられますよね。逆に円安方向に振れた場合にはダンマリ、だ。実際、今回も円安の進行ではとくべつコメントが聞かれない。

簡単な計算で算出できるけど、ドル/円相場なんてイレギュラー気味ですが17日に記録した安値76.25円を仮に起点とすれば、本稿執筆時のドル高値83.75円まで10%近い上昇なんですけどね。それもわずか10営業日(2週間)で・・・。平均すると1営業日で1%ずつのドル高・円安です・・・。
これは「過度の変動」や「相場の急変」ではないのだろうか?

もっとも、そんな相場の急変をもたらせた一因、片棒を政府・財務省の市場介入が担っていたので、声高に言えない・認められないところもあるのでしょうけど。
でも、なんというかダブルスタンダードって気がするのは筆者だけでしょうか?

もうひとつ。こちらも以前に書きましたけど、原油など資源高のなかジワリと円安になってきたってことの影響を、政府などはもう少し真剣に考えた方がいいと思いますね。
もちろんまだ80円台なので憂慮したりするのは早いですが、それでも関東大震災や阪神大震災という過去に起こった大震災を参考にするとドル/円相場は早ければ年内にも100円を超える可能性がある。急に考えても遅いのは当然なので、いまから対応を考えはじめた方が宜しいかと思いますが、筆者の戯言なんか誰も鼻にも引っ掛けないんだろうな(苦笑)。

Posted at 17時42分 パーマリンク


2011年03月28日(月)

ドル高続くか、関心は金利差へ=今週のドル/円見通し

今週の為替市場は、先週末に向けて進行したドル高基調が続くのかどうかを見極める展開となりそうだ。保険金支払いにともなうリパトリや福島原発に関する話題などマーケットでは東日本大震災に関する話題が長らく取り沙汰されてきたものの、先週末に掛けては主題が日米の金利差へと再び移行した感も否めない。個人的には米国の出口戦略に対する参加者の期待感が高過ぎる気もしているが、流れに逆らっても決して良いところはない。むしろキチンと流れに乗っていくことが肝要だと思う。

テクニカルに見た場合、過去4日ほど続けてきた81円を挟んだ狭いボックス圏を先週末にようやく上放れしてきた。リスクはドル高方向にバイアスがかかる。そんなドルの抵抗は、まずG7協調介入後のドル戻り高値である82円前後。3月の期末前で上方向に並ぶ輸出のオファーをどの程度こなせるのかがポイントのひとつになる気がしている。抜けると82円半ばから後半に掛けて位置する一目均衡表の先行帯の雲がターゲットに。

そうしたなか、今週は材料的に大きく2つの要因を注視している。
ひとつは、金利差の問題。先週末25日のドル全面高は米国の長期金利上昇によるところが大きいことは疑いない。複数の米地区連銀総裁などから利上げを支援する発言が相次いだためだが、潜在的なインフレ懸念は米国以外たとえば欧州などでも高まっている。これは日本の大震災やリビア混乱を受けた商品相場の上昇などが背景のひとつだ。各国のインフレ観測に繋がっていることは間違いない。
なお、米国の利上げ観測についてはまだユーフォリア、期待感が先行しているイメージもなくはないが、ここから先は現実感が強まるようだとさらなるドル高の支援要因となりかねないのかも知れない。

ふたつめの要因は宮城県を中心とした東日本大震災に関する各種問題。関心は高いが福島第1原発の放射能漏れに関する報道なども徐々に織り込まれてきた感を否めず、よほどのことでないと材料視されにくいイメージもなくはない。しかし、今後の復興需要に対する期待と燃料や物資不足、また作付けシーズンを前にした被害から食糧不足の懸念も取り沙汰され始めるなど、問題が多岐に広がり複雑化の様相を呈している。為替市場への影響という点では、直接ではなく間接的なファクターだが動静には十分に注意を要したい。

なお、上記以外に注目されるものを幾つかアトランダムで列挙すると、期末・期初をにらんだ各種の需給要因(駆け込み的な為替予約や新年度入り後は新規外債投資など)、週末に予定されている米雇用統計を中心とした米経済指標の発表、米債の入札、ポルトガルなど一部欧州諸国で再燃しつつあるソブリンリスク、リビアを中心とした中東・北アフリカなどにおける政情不安・地政学リスク−−などとなる。(了)



P.S.
突然ですが、当ブログを3月末をもちまして「卒業」することになりました。
したがって、この毎週月曜日に掲載していた当見通しは今週が最終回となります。長いあいだの御愛読ありがとうございました。

Posted at 12時31分 パーマリンク


2011年03月24日(木)

「カネを使おう、飲みにも行こう!」

先日、大震災以降初めて知人と飲みに行った。

行った場所は六本木。多ければ週1、下手をすると一人でも行くアジアンテイストの店で、店長以下全員が顔見知り。陣中見舞いも兼ねて行ったのだが、あまりの客の少なさに愕然とした筆者です・・・・・・。いつもは混んでいるのに。

そんなことで、店長ともなんだかんだで色んな話をしたけれど、震災前と後では客足が半分どころか2-3割へと落ち込んでいるという。店の被害は幸運なことにほとんどなかったというが、逆に集客に苦しんでいるようだ。

被災地のことを考えると外食での散財はしにくいとか、気持ちは判ります。気持ちがどうしてもシュリンク・委縮しちゃいますよね。筆者もそうだったので、飲みに行くのがノビノビになったわけですし・・・。

けれど、東京など首都圏で生活するひとたちは、多少おカネを使わないと今度は都内などでも干上がる業種の方たちが出てきますよ。筆者の知る限り、飲食業の方たちはどこも嘆いておりました。お客さんが激減している、と。

毎日とは言わないし、必要以上の贅沢をすることはないけれど、外食や飲みに行くチャンスをもう少し増やしてもイイ気がします。
ただし外食の際には食べ残しすること、それは幾つかの意味で失礼かなと。被災地の方のこととか考えると、少なくとも頼んだものは全部食べましょう。それが最低限の礼儀である気がしています。

Posted at 09時27分 パーマリンク


2011年03月22日(火)

G7合意受けた当局の対応如何に?!=今週のドル/円見通し

今週の為替市場は、G7合意を受けた当局の対応ならびに円高阻止のスタンスをにらみつつ、円相場の動静がポイントとなりそうだ。円売り協調介入という「力技」によるものとはいえ、ドル/円の日足チャートをみるとドルの下値を積極的には売りにくい雰囲気を醸している。そうした意味では底堅い値動きをたどることも否定は出来ないが予断は許さない。先日の円高進行は第1波に過ぎず、それを乗り越えたものの今後第2波、第3波の円高到来を予想する声も少なくはない。80円レベルを再びしっかり割り込むようだと、76.30円レベルの史上再安値が視界内に捉えられるとの見方も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、日足のチャートを見ると2円を超える長い下ヒゲに続き、先週末には実体部の非常にしっかりした陽線が記録されており、確かに目先は下値を積極的に売りにくい雰囲気も否めない。一番底という意味では、先日の76円台がある種の底値であった可能性を否定出来ない。
しかし、以前に報じたことがあるようにドル/円の底入れには幾つかの条件がある。紙幅の関係もあるため詳細は省くが、それを参考にすれば短期的な動きはともかく中期スパンで見た場合には再び先日安値の76円台近くまで、あるいは同安値を再び更新する危険性もくすぶっていると言えるかも知れない。円高再燃の動きにも一応の注意を要したい。

そうしたなか、今週は材料的に大きく2つの要因を注視している。
ひとつは、宮城県を中心とした東日本大震災に関する影響。引き続き保険金支払い増にともなうリパトリの思惑も聞かれるが、日本損保協会・鈴木会長からの「手持ち資金は潤沢」発言(17日)などもあり以前ほど声高に論じられなくなってきた。とはいえ、3月期末前という季節的な要因を加味すれば、リパトリの観測を完全に払拭することは難しそうだ。
その一方、徐々に注目度を増しているのが福島第1原発による事故の被害状況。共同通信社が本日報じたところによると、海江田経産が「原発は必ずしも安全に向かっていると言えない」などと発言したという。そうしたなか、相場と直接的な関係はないが、大使館などを含め一部の外資系は職員の国外退去や拠点を臨時で関西に移すなどの動きも観測されている。まだ目立った動きは見られないが、状況如何では外国人による「日本売り」の口実にならないとも限らないように思う。

次に注目されるものは、中東・北アフリカのほかアジアの一部でも見られる政情不安・地政学リスク。日本の大震災を受け新聞やテレビなどの報道ベースではあまり見ることもなくなったが、リビアを中心に引き続き情勢は予断を許さない。とくに本日になり、多国籍軍がリビア政府軍に攻撃を仕掛けた、との通信社報道もなされている。どうしても近視眼的、視野が狭くなりがちだがグローバルな視点も忘れずに持ち続けたい。

なお、上記以外に注目されるものを幾つかアトランダムで列挙すると、日本の政府・財務省による追加的な円売り市場介入、日本の大震災にもかかわらず早期利上げスタンスをうかがうわせるECBの次回会合に向けた動き、日銀による流動性供給の増強策、原油を主とした商品相場動向−−などとなる。(了)

Posted at 10時04分 パーマリンク


2011年03月17日(木)

「大地震について・・・その2」

東日本巨大地震が発生してから6日が経過しました。報じられる被害の大きさに唖然としている筆者です。
それからすると、筆者のうけた被害なんてホントに小さかったなぁ・・・と。

そうしたなか、残念なニュースも幾つか聞かれている。
ひとつは人の善意につけ込んだ寄付金サギなどの行為であり、また火事場泥棒の類、そしてメールやツィッターを使った悪意のある噂の拡散−−などがそうですね。

人間ってこういうときに、なんというのか本当の「人間力」が問われる気がしています。

被災地の一日も早い復興を祈願しております。

Posted at 17時30分 パーマリンク


2011年03月14日(月)

ドル高orドル安?!動静読みにくい=今週のドル/円見通し

今週の為替市場は、動静の読みにくい1週間となりそうだ。詳細は下記で詳しく報じるが、筆者のヒアリングした限りにおいても、インターバンクディーラーを中心とした市場参加者の見方もドル高とドル安で見通しはほぼ拮抗している。
いずれにしても、今週は計画停電の件を含め東京タイムを中心に市場参加者がどう動くのか、手さぐり状況の相場が続く公算が大きい。流動性が極端に乏しい状況が続くことも予想されるだけに、取引をされる方はストップロスをキチンと置くなどして、思わぬ価格変動にしっかりと対処をしたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は本日早朝に一時80.60円レベルまで下落し、年初来安値を大きく下回ってきた。ただし滞在時間は短く、そのあと同レベルから急速に戻し本稿執筆時には82円台で推移している。実に1円を超える戻しで、上下動が激しい。まるでジェットコースター相場だ。
そんなドル/円は、先週末の下げで82.20-70円レベルに位置した一目均衡表の先行帯の雲を一気に割り込んできたことあり、基本的なリスクは下向きか。本日早朝に記録した80.60円レベルを仮に割り込むようだと、昨年安値である80.23円レベルが名実ともにターゲットとして意識されかねない。それに対するドルのレジスタンスはまず前述した一目の雲などとなる。

そうしたなか、今週は材料的に大きく2つの要因を注視している。
ひとつは、先週末に起こった宮城県を中心とした大地震に関する諸環境。足もとでは保険金支払い増にともなうリパトリの思惑が3月期末に向けた円買い観測に結び付いている面は否めないものの、継続性は果たしてどうか。また、さらなる円高をもたらすほどの材料となるのかどうかについて懐疑的な見方も少なくはない。
それに対して、逆に福島原発による事故の被害によっては円安に振れかねないとの指摘や、計画停電を受けたトヨタをはじめとする日本の主要企業の操業に与える影響も円安要因として懸念されている。さらに短期の要因ではないが、日本政府による国債の発行増を懸念する声もあり、それらはすべて為替市場における円売り要因となりかねない気がしている。

次に注目されるものは、各国の金利動向。事前予想通りとはいえ先週NZが世界的な流れと逆行する「利下げ」を実施するなか、今週は週初に日銀そして以降米国(FOMC)、ノルウェー、スイス、インドなどの中銀が順次政策金利の発表を行う見込みとなっている。
なかでも注視されているのは、やはり米国のスタンスで改めて緩和姿勢を示すのか、それとも出口戦略に向けた姿勢をうかがわせるのか、いずれのスタンスを取るかによってドル相場の先行きが決定づけられる気がしないでもない。

なお、上記以外に注目されるものを幾つかアトランダムで列挙すると、レベルにもよるが日本の政府・財務省による市場介入(事情が事情だけに各国の理解を得やすいとの指摘も・・・)、中東・北アフリカのほかアジアの一部でも見られる政情不安・地政学リスク、高騰の続く原油価格、ユーロ圏財務相会合などイベントが多い欧州情勢−−などとなる。(了)

Posted at 10時15分 パーマリンク


2011年03月13日(日)

「大地震について・・・」

御存じのように、先週末11日に宮城県がM9.0の国内最大級の地震に見舞われました。
同県の南三陸町では、町民のうち1万人近い方と連絡が取れないそうで、本当に心配です・・・。

今回の地震のスゴイところは震源地から遠いところでも大きな揺れを感じたところ。筆者の住んでいるのは埼玉県ですが、震源地から300キロも離れているのに、震度5強でしたから。そのあとも余震が断続的に続いていますしね。

まぁ、それでもなんとか無事でいられたので、文句も言えませんけど。
皆さまはご無事でしたか?

そんな今回の地震、筆者は取材から帰る途中、屋外で遭遇しましたけど、「あれ?立ちくらみかな?」と最初に思いました。ちょっと貧血気味の気があるもので、たまに立ちくらみがあるんです・・・。
しかし、道行く周りのみなさんも不安げな顔をしているし、気が付くと看板とかも揺れているので、「あぁ、自分だけじゃないんだ。地震なんだ」って思いました。

そのあとは、皆さんそうだと思いますが交通機関が止まったこともあり大騒ぎ。
筆者も7-8時間かけて自宅へと帰宅しましたので・・・。

また、そのあいだ携帯電話がほとんど使えず、レートのチェックなども出来なかったので非常に不安でした。ポジションも持っていたし。
ちなみに、保有していたポジションはドルショートで、「大地震=円安」だと思っていたから、「こりゃぁ相当ヤラレたな。ロスカットがついたかも」−−と思っていましたが、あにはからんや逆方向に振れていて、帰宅後レートをチェックしてビックリした筆者です。まさか、リカクされているとはね・・・・・・。

・・・そんなこんなでなんとか帰った自宅もまぁヒドく、とくに蔵書3000冊以上抱える本部屋の惨状は目を覆いたくなるほどでしたが、まぁ仕方ないでしょうなぁ。先にも書いたように、命があっただけでもヨシとしないと。

明日からまた仕事。電力の供給が気になりますけど、筆者はなんとか頑張りたいと思います。未曾有の大事件ですので、皆さんも慎重に慎重をきたして過ごしていただきたいと思います。

Posted at 15時57分 パーマリンク


2011年03月11日(金)

「FX会社の求人状況」

プライベートでお世話になっている知人の息子さんは現在大学3年生(4月から4年生)。なので、そう現在はバリバリの就活時期にある。

以前に一度書いたような記憶があるのだが、希望職種は金融系でそれも出来れば運用とかそれに類する仕事がやりたいらしい。なかなか難しいですが。
そんなことで、先日知人を通して筆者のところにも連絡があり一緒に食事をしたのだが礼儀正しい好青年であった。猫を被っていた可能性もありますが(笑)。

ともかく、その際に色んな話をしたけれど、すごく印象に残っているのは「FX会社で新卒者の募集をしているところありますか?」−−という話。

うーむ。勉強不足を露呈するようだけど、聞いたことがないなぁ、と思いその場では答えられませんでした。ごめんなさい・・・・・・。

しかしなぁ〜。FX会社への就職ですか。どうなんでしょ、イイですか?
筆者は近いところで仕事をしているせいか、逆にいまひとつピンとこないというか、想像が出来ないんですけど。

なお、知人の息子さんは関東六大学のひとつ、名門校に通っているんですが、それでも就活は大変みたいです。早くひとつ決まって楽になりたいです−−って言ってましたし。
足もとの苦境なんとか突破して、是非とも美味しいお酒を飲みましょう!そのときは御馳走するからさ。

Posted at 09時34分 パーマリンク


2011年03月09日(水)

「原油高と為替の影響」

先日ある市場筋の方と話をした際、原油高騰の話になった。
ちょうどWTIが100ドルを超えたあたりのことだったと思う。

そして日本の政治家の発言を見ても、「原油価格の上昇が日本経済に与える影響を注視」(与謝野経産相・8日)などといった発言が聞かれるようになってきたことは周知のことだろう。

そんななか、2人で一致したのは「それでもまだ円高だからなんとかなっている」って話。
別の言い方をすると、足もとの原油高で為替が円安なら、すでに目も当てられないダメージを被っている可能性も否定出来ないように思われる。

改めて指摘するまでもないように、仮に1ドルが100円になれば、原油価格が横ばいに推移しても単純計算で2割近いコスト高になるわけですから。これは大きい気がしますね。

もちろん、一番大事なものは原油価格の動きだけど、為替も非常に重要で無視できる要因ではない。
一部専門家の間で指摘されているように、円高が最終章にホントに入っているのなら、原油を中心とした輸入原材料高にもっと注意を払うべきかも知れない。少なくとも円高が永遠に続くことなどないのだから。

Posted at 11時35分 パーマリンク


2011年03月07日(月)

ドル高続くか、ユーロの動静にも要注意=今週のドル/円見通し

今週の為替市場は、米景気の回復期待に裏打ちされたドル高が続くのかどうかを見極める展開となりそうだ。それとともに、先週末に今年初めて一時1.40ドルの高値を付けたユーロ/ドルなどユーロ相場の行方にも注意を要したい。とくに後者については、早ければ4月にもECBが利上げを実施するとの観測が強まっており、ユーロの強い支援要因となっているのは間違いない。ユーロがさらに上昇をたどるのかどうか、そのあたりの動きがドル/円の変動にも結果として大きな影響を与えかねないかも知れない。

テクニカルに見た場合、基本的なリスクはドル高方向にバイアスがかかりそう。ただし、先週末にドルの上値が止められた83円レベルは2月高値83.96円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しも近いテクニカルポイントに当たるうえ、今週も週を通してほぼ82.30-70円に一目均衡表の先行帯の雲が位置する。ドルの上値はことのほか重いイメージもなくはない。
それに対するサポートは先週何度か下げ止まった81.60円レベル。これをしっかり割り込むようだと下値も波乱含みとなりかねない。

そうしたなか、今週は材料的に大きく2つの要因を注視している。
最初の材料は各国金利の動向。今週中に政策金利の発表を予定している主要国はNZと英国程度しか見当たらないものの、前者であるNZについては「利下げ」観測が高まっており、動静次第ではマーケットの波乱要因になりかねない気がしている。対して後者の英国についてはECBに続きBOEが次回会合で利上げを意識させるようだとポンド/円などを通じ、クロス全般で円が弱含む展開をたどっても不思議はないだろう。
さらに、今後の政策金利の動きを占ううえで重要な米国を中心とした各国の経済指標や要人によるコメントにも注意を要したい。

次に注視されるのは、政治的なファクターでこれはさらに2つに分けられる。
うちひとつは本日付の全国紙などで大きく取り上げられているように前原外相が辞任を発表し、さらに不安定さを増す日本の政治ファクター。政治の不安定さは海外勢の嫌うファクターだけに円安要因との声も一部で聞かれていた。
一方、それとは別に注視したいのは先週末から中国で始まった全人代(全国人民代表大会)。温家宝首相は取り敢えず「人民元政策の表現に変更なし」としているものの、物価安定のために緩やかな人民元の上昇容認の動きなどが確認されれば、ドル/円相場への影響も否定出来なくなりそうだ。

なお、上記以外に注目されるものを幾つかアトランダムで列挙すると、3月期末をにらんだ本邦勢のリパトリなど需給要因、トータル660億ドルに及ぶ米債の入札、中東・北アフリカのほかアジアの一部でも見られる政情不安・地政学リスク、それを受けた原油価格などをはじめとする商品相場−−などとなる。(了)

Posted at 10時56分 パーマリンク


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プロフィール

FXニュースレター代表

斎藤登美夫

約13年間の為替専門誌記者生活を経て独立。現在は個人投資家向け為替情報会社『FXニュースレター』の代表を務める。かつては、金融情報誌『ユーロマネー』のベストディーラー・アンケート「短期予測・銀行投票部門」でランクインした経験も。ディーラー、アナリスト、霞ヶ関などの豊富な人脈を生かした取材・情報提供には定評がある。

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